薬剤師になるにはどうすればいい?社会人や主婦でも目指せる?
「薬剤師になりたい!」と考えたら、まず何から始めれば良いのでしょうか。
高校生だけでなく、社会人や主婦でも「薬剤師になりたい!」と思ったら目指せるのでしょうか。
この記事では、薬剤師になるための方法や薬学部の学費、薬剤師になるために必要な偏差値などについて解説します。
社会人や主婦が薬剤師になるための方法についても解説しています。
「今からでも薬剤師を目指せるのかな?」と考えている社会人や主婦の方も、ぜひ参考にしてみてください。
薬剤師になるには
薬剤師になるには、大学の薬学部に入学し6年間の課程を修了した後、薬剤師国家試験を受験して合格することで、薬剤師の資格を取得する必要があります。
薬剤師国家試験には医薬品の知識だけでなく、関連する法規や倫理なども出題されるため、幅広い分野の対策をしなければなりません。
合格率は毎年70%程度で推移しており、薬学部の課程を修了すれば誰でも合格できるわけではありません。
大学在学中から試験合格に向けて、地道に勉強することが求められます。
薬学部の学費について
薬学部の学費は、他学部に比べると高い傾向にあります。ここでは、なぜ薬学部の学費が高いのか、薬学部の学費の平均はどのくらいなのかを紹介します。
薬学部の学費が高い理由
薬学部の学費が高いことには、主に次の2つの理由が考えられます。
- 6年制であること
- 実験・実習などがあること
一般的な4年制とは異なり薬学部は6年制であるため、支払う学費の総額が必然的に高くなります。
また、薬学部では実験や実習なども行われ、そのための費用も必要となるため、1年あたりの学費も他学部より高い傾向にあるのです。
薬学部の学費の平均は?
実際に、薬学部の学費はどのくらいなのでしょうか。
初年度の学費と6年間総額の学費の平均を、私立大学と国立大学に分けて見ていきましょう。
初年度の学費の平均 | 6年間総額の学費の平均 | |
私立大学 | 約2,179,156円 | 約12,107,815円 |
国立大学 | 817,800円 | 3,496,800円 |
国立大学の学費は、どの大学も国が示す標準額に準拠した一律の額になっています。
私立大学よりも大幅に安く通えるため、入学難易度が高くなっている点に注意してください。
薬剤師になるには高校でどれくらいの偏差値が必要?
薬剤師になるには大学の薬学部に入る必要がありますが、国公立大学と私立大学では偏差値に違いがあります。
国公立大学の薬学部の偏差値は57.5〜67.5で、全体的に偏差値が高く学校間でも大きな差がないことが特徴。
一方、私立大学の薬学部の偏差値は35〜65と幅広くなっており、偏差値を気にしなければ薬学部自体に入ることはできるでしょう。
しかし、薬剤師になるためには大学入学後も6年間学び続けなければならないため、高い勤勉さと継続性が求められます。
偏差値の高くない私立大学に入学してしまうと、学び続けるモチベーションを維持するのが難しく、薬剤師国家試験に合格できない可能性が高くなってしまうでしょう。
そのため、薬剤師になろうと考えている場合、最低でも偏差値50程度は必要です。
社会人や主婦が薬剤師になるにはどうすればいい?
社会人や主婦が薬剤師になる場合でも、大学の薬学部に入学し6年間の課程を修了し、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。
高い学費を支払わなければいけない上、6年間で薬剤師になれない可能性も高いため、社会人や主婦が薬剤師になるのは現実的ではないでしょう。
薬学部に6年間通うと、国立大学では350万円ほど、私立大学では平均約1,200万円もの学費がかかります。
薬学部に通う場合、正社員として働く時間が確保できないため、収入源は月数万円のバイト代です。
そのため、事前に卒業までの資金を用意できないと、社会人や主婦が薬剤師になるのは難しいでしょう。
また、薬学部に1年で合格できるとは限りません。
その上で、薬学部に入学できたとしても、勉強が大変なことから進級できず、6年より長い期間大学に在籍しなければならない場合もあります。
大学への在籍期間が長ければ長いほど支払う学費が高くなり、薬剤師になるのがどんどん遅くなってしまう可能性もあります。
もし6年間で薬剤師国家試験に合格できた場合でも、20代の新卒生と比較されてしまい、すぐに就職先が決まらない場合があるでしょう。
また、年収が思ったほど高くならない場合もあります。
このような理由から、社会人や主婦が薬剤師になるのは不可能ではありませんが、かなりハードルが高いと言えるでしょう。
薬剤師になるために薬学部入学前にできること
薬剤師になるために、薬学部入学前にできることについて解説します。
学術面での準備と、入学の準備の2つに分けて見ていきましょう。
学術面での準備
薬学部の授業進度はかなり速く、高校で学習する内容の基礎がわからなければ、1年生の段階で遅れをとる可能性すらあります。
そのため、薬学部に入学する前に、高校で学習した内容を復習しておくと良いでしょう。
特に復習しておくべき科目は、理科(化学・生物・物理)と数学、英語です。
一般入試で薬学部に合格した人は受験勉強で培った基礎知識があるため、そこまで焦る必要はありません。
しかし、理科は2科目しか使わない上、数Ⅲには触れていない人も多くいるでしょう。
そのため、高校であまり勉強してこなかった科目がある人は、事前に基本的な内容を理解しておくことをおすすめします。
一方、推薦入試で合格した人は合格が決まってから大学入学まで何も勉強をしないと、学習した内容を忘れてしまっている可能性が高いでしょう。
一般入試で合格した人よりも早く合格が決まり、準備する時間も多く確保できるため、高校の内容はどの科目も一通り復習しておきましょう。
復習しても、学習内容をすべて覚えられるわけではないでしょう。
しかし、まっさらな状態で一から勉強するよりも、一度学習した内容を思い出しながら勉強したほうが学習内容が定着しやすいのは言うまでもありません。
そのため、薬学部への入学が決まったら、高校で学習した内容を復習しておくことをおすすめします。
入学の準備
薬剤師入学前には、入学に向けての事務的な準備も必要です。
具体的には、生協に加入したり、大学専用のポータルサイトや講座、電子マネーの初期設定をしたり、パソコンや教材、教科書などを購入したりする必要があります。
入学前に必要な手続きは、大学によって異なります。
そのため、入学に向けた準備をする際は各大学のホームページを確認したり、先輩が同じ大学に通っている場合は先輩に聞いたりして、準備を進めるようにしてください。
なお、制度が変更されていることもあるため、先輩から聞いた話に誤りが含まれている可能性もあります。
最終的には、大学のホームページを確認したり教務部に確認したりして、正確な情報を得ることをおすすめします。
【まとめ】薬剤師になるには準備が大切
薬剤師になるためには、大学の薬学部に入学後、薬学課程を修了して薬剤師国家試験に合格しなければなりません。
薬学部への合格が難しいだけでなく、薬学部に入ってからの勉強も大変です。
そして、薬剤師国家試験に合格するために猛勉強しなければならず、高い勤勉さと継続性が必要です。
また、私立大学の薬学部では、卒業するまでに平均1,200万円もの学費がかかります。
そのため、もし社会人や主婦が薬剤師になりたいと思っても、実際に薬剤師になるのはかなり難しいと言えます。
薬学部への合格が決まったら、高校の学習内容を復習するとともに、大学入学に際して必要な手続きを進める必要があります。
大学ごとに必要な手続き内容が異なるため、ホームページなどを確認して、手続きし忘れることのないように注意しましょう。