薬剤師のキャリアアップに関わる資格とは|おすすめの補助資格を紹介
薬剤師のキャリアアップには、追加資格の取得が有効。
薬剤師が取得するとキャリアアップがしやすくなる資格には、どんな種類があるのでしょうか。
この記事では、薬剤師のキャリアアップに関わる資格とおすすめの補助資格を紹介します。
「薬剤師としてキャリアアップしたい」「新たな資格を取得したい」と考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
薬剤師が追加資格を取得するメリット
薬剤師が追加資格を取得するメリットとして、次の4つが挙げられます。
- 専門知識の向上
- キャリアアップの可能性
- 患者からの信頼性向上
- チーム医療での役割拡大
それぞれのメリットについて、以下で見ていきましょう。
専門知識の向上
薬剤師が追加資格を取得することで、専門知識の向上が期待できます。
例えば、「研修認定薬剤師」を取得することで、普段の業務では扱わない薬や病気の知識を学習できます。
また、病気と薬の処方にどのような関係があるのかを深く学べるため、患者により丁寧でわかりやすい説明ができるようになるメリットもあるのです。
キャリアアップの可能性
追加資格を取得することで、キャリアアップの可能性もあります。
薬剤師としてキャリアアップするには、医薬品の知識のみならず幅広い事柄に目を向けて、常に学び続けることが大切です。
しかし、決まった目標を設けずに学び続けるのは難しく、途中で学びを止めてしまうかもしれません。
そこで、資格取得を目指せば明確な目標ができるため、学び続けるモチベーションが保てるようになり、キャリアアップに繋がりやすくなるでしょう。
患者からの信頼性向上
追加資格を取得することで、薬学の専門的な知識を身につけられます。
身につけた知識を活かして患者の相談に応じることで、より患者に寄り添った案内ができるようになるでしょう。
説明がわかりやすい薬剤師や親身になって考えてくれる薬剤師のほうが患者も安心できるため、患者からの信頼性向上が期待できます。
「患者さんの役に立ちたい!」と考えている方は、ぜひ追加資格の取得を検討してみてください。
チーム医療での役割拡大
薬剤師が追加資格を取得することで、チーム医療での役割拡大というメリットも得られます。
チーム医療では、医師や看護師、薬剤師をはじめとする多様な医療スタッフが密に連携することで、患者の状況に応じて適切な医療を提供します。
その際に「感染制御薬剤師」「在宅療養支援認定薬剤師」「がん専門薬剤師」など専門的な資格を持っていると、高度な知識や技術を要するチーム医療に加わることが可能です。
このように、チーム医療での役割が拡大できる可能性があることも、薬剤師が追加資格を取得するメリットの1つです。
薬剤師の追加資格|認定薬剤師
薬剤師の追加資格の代表例として、認定薬剤師があります。
認定薬剤師とは、講習の受講や単位の取得により一定の能力があることを証明する資格の総称です。
専門分野ごとに資格が分かれているため、専門にしたい分野の認定薬剤師資格を取得するのが良いでしょう。
認定薬剤師の資格を取得すれば、薬剤師としての専門性を証明できるため、他の薬剤師との差別化ができます。
具体的には、収入が上がったり、薬剤師としてのキャリアアップにつながったりする可能性が高いでしょう。
以下に、認定薬剤師の一例を載せていますので、自身の専門性と照らし合わせて目標とする資格を見つけてみてください。
- 感染制御認定薬剤師
- HIV感染症薬物療法認定薬剤師
- 抗菌化学療法認定薬剤師
- がん薬物療法認定薬剤師
- 外来がん治療認定薬剤師
- 緩和薬物療法認定薬剤師
- 腎臓病薬物療法認定薬剤師
- 糖尿病薬物療法認定薬剤師
- 精神科薬物療法認定薬剤師
- 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
- 小児薬物療法認定薬剤師
- 救急認定薬剤師
- プライマリ・ケア認定薬剤師
- 在宅療養支援認定薬剤師
- 日病薬認定指導薬剤師
- 認定実務実習指導薬剤師
- 漢方・生薬認定薬剤師
- 公認スポーツファーマシスト
- 研修認定薬剤師
- 日病薬病院薬学認定薬剤師
- 医療薬学専門薬剤師
薬剤師の追加資格|専門薬剤師
認定薬剤師より専門性を深めた資格に、専門薬剤師があります。
専門薬剤師の資格を取得するためには、認定薬剤師の資格取得が前提になっている場合が多いため、認定薬剤師の資格を取得してから目指すのが一般的です。
認定薬剤師よりも高度な知識や技術を有する専門薬剤師は、患者への対応だけでなく治療法の研究や新薬の開発など、さまざまな場面での活躍ができます。
以下に、専門薬剤師の一例を載せていますので、参考にしてみてください。
- がん専門薬剤師
- がん指導薬剤師
- 外来がん治療専門薬剤師
- 感染制御専門薬剤師
- 医薬品情報専門薬剤師
- HIV感染症専門薬剤師
- 精神科専門薬剤師
- 栄養サポートチーム(NST)専門療法士
- 腎臓病薬物療法専門薬剤師
- 妊婦・授乳婦専門薬剤師
- 認定女性ヘルスケア専門薬剤師
- 地域薬学ケア専門薬剤師
- 薬物療法専門薬剤師
薬剤師の補助資格
薬剤師の補助資格としておすすめなのは、次の5つです。
- 認定実務実習指導薬剤師
- NR・サプリメントアドバイザー
- 日本糖尿病療養指導士
- ケアマネージャー
- メディカルアロマセラピスト
それぞれの資格がどのようなものか、以下で見ていきましょう。
認定実務実習指導薬剤師
認定トルツメ実務実習指導薬剤師とは、大学の薬学部教育における実務実習の指導者ができる資格。
学生への指導ができるほどの知識を有していることの証明になるため、評価のアップに繋がりやすいでしょう。
認定実務実習指導薬剤師の資格を取得するために受講する研修は、薬剤師実務経験が5年以上あることが条件です。
6年制の薬学教育を受けた場合は、実務経験が3年以上でも研修を受講できますが、受講後におこなう資格の認定申請は、5年以上の実務経験が必要な点に注意してください。
NR・サプリメントアドバイザー
NR・サプリメントアドバイザーとは、サプリメントを一般の人に広めるために作られた資格。
自分の健康は自分で守る「セルフメディケーション」の考え方が広まった現在、NR・サプリメントアドバイザーの重要性が増しています。
専門的な立場から個人にあわせたアドバイスができ、一般の人の健康を支えられる資格です。
日本糖尿病療養指導士
日本糖尿病療養指導士は、個人の体質や合併症などの状況を考えながら、糖尿病に関する専門的な指導ができる資格です。
主な仕事内容は、食事や運動、医薬品の使用などさまざまな方法で、糖尿病患者をサポートすること。
薬剤師と日本糖尿病療養指導士の2つの資格を持てば、高度な薬物療法により患者をサポートできるようになるでしょう。
ケアマネージャー
ケアマネージャーとは、介護が必要な方の相談に応じたり、適切な介護保険サービスを受けるためにケアプランの作成や事業者との調整をしたりする仕事。
正式名称は介護支援専門員。ケアマネージャーは合格率20%ほどと難関資格であるため、取得することが難しい資格の1つです。
そのため、薬剤師とケアマネージャーの2つの資格を持っている人は希少であり、ケアマネージャーの資格を取得すれば自身の市場価値を高められるでしょう。
メディカルアロマセラピスト
メディカルアロマセラピストとは、アロマを用いた処置ができる資格。
リラックス効果のあるアロマを用いることで、患者の苦痛やストレスなど、通常の治療では除去できない症状の改善をすることが主な仕事です。
資格を取得するには、20万円以上の授業料を支払うことが必要で、ハードルは高いです。
しかし、オンラインでの受講ができるので、資格取得へのハードルは下がっています。興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
薬剤師が資格取得以外でキャリアアップする方法
薬剤師が資格取得以外でキャリアアップするには、次の3つの方法が考えられます。
- 転職
- 職場内で役職に就く
- 英語力を身につける
それぞれの方法について、以下で解説します。
転職
1つ目の方法は転職です。求人サイトを探してみると、今の職場よりも条件の良い仕事や上位の役職が見つかることがあるでしょう。
特に、人手不足に陥っている地方では、好条件で薬剤師が募集されていることが多くあります。
「今より責任感のある仕事をしたい」「今より収入を上げたい」と考えている人は転職を視野に入れてみると良いでしょう。
職場内で役職に就く
職場内で役職に就くことも、キャリアアップする方法の1つです。
役職の一例として、調剤薬局であれば管理薬剤師やエリアマネージャー、病院であれば薬剤部長などが挙げられます。
職場内で役職に就くためには、追加資格の取得が有利に働く場合もありますが、資格だけが判断の基準ではありません。
求められたことを正確かつ迅速に行い、経営陣の目に留まれば、十分に昇進できるチャンスがあるでしょう。
英語力を身につける
キャリアアップするには、英語力を身につけることもおすすめです。
薬剤師が英語力を身につければ、外国人患者への対応がスムーズにできるようになるだけでなく、外資系企業などで活躍できる可能性もあります。
外資系企業で働きたい場合、TOEICなどの試験で一定レベルの得点を出す必要があるため、積極的に試験を活用し英語力を高めてみてください。
【まとめ】資格を取得して薬剤師としてのキャリアアップを目指そう
認定薬剤師や専門薬剤師などの追加資格を取得すると、薬剤師としてのキャリアアップがしやすくなります。
追加資格を取得すると、一定の能力があることが客観的に証明でき、職場での昇進や転職活動での採用に繋がりやすくなるのです。
また、認定実務実習指導薬剤師や日本糖尿病療養指導士などを取得することで、業務の幅を広げることもおすすめです。
ぜひ追加資格を取得して自身の薬剤師としてのキャリアアップを目指してください。