薬草園の四季
季節の移ろいを感じさせる薬草園の植物たち。
春夏秋冬で装いを変える植物たちの多彩な表情を、お楽しみ下さい。
秋の植物
薬草園について
和漢薬に特化した
薬草が充実
漢方薬学科を有する本学の薬草園では、「和漢薬」の原料として使用される薬用植物を多数植栽しています。「和漢薬」とは、日本で開発された「和薬」と、中国医学で用いられる「漢薬」を融合した薬のこと。かぜ薬として知られる「葛根湯」の原材料である「芍薬(シャクヤク)」もその一つです。
300種類もの薬草に
出逢える
総面積約2,000平方メートルの敷地内には、漢方薬や民間薬、西洋ハーブとして用いられる300種類以上の薬用植物が植栽されており、四季折々に特徴的な花を咲かせます。植物ごとに、植物名や薬用部位、薬効等の情報を紹介しており、身近にある薬草や生薬の使われ方を間近に観察しながら学べます。
薬用植物や生薬の
知識の宝庫
薬学生にとって薬草園は、貴重な〝野外学習の場″です。「薬用植物学」「本草学」等の講義で学んだ知識を、実際に見て触れて、香りや味を体験することで、一層理解を深めています。薬草園の植物は、薬用植物の分類や栽培研究、生薬の品質や研究資源として活用されています。学習・研究の場としてはもちろん、薬剤師への実地研修の場、小中高生や地域の方々に対する見学の場として、薬用植物や生薬の知識を学内外に広く提供しています。
エリア紹介
緑豊かな園内は「和漢薬」「西樹木」「西広場」「西洋ハーブ」「木陰」「温室」の6つのエリアに分かれています。それぞれのエリアの特徴と代表的な植物について、ご紹介します。
※エリア名をクリックしてください
漢方に配合される代表的な生薬を主に植えているエリアです。ボタンやシャクヤクをはじめ、重要な漢方処方に配合される生薬をおよそ50種類選定しています。葛根湯をはじめ馴染みのある漢方に配合される生薬の基原植物をじかに見ることができます。四季折々に、春はボタンやシャクヤク、夏にはスイカズラやコガネバナ、秋にはキキョウやオミナエシがエリアを彩ります。
木陰エリアには、"日陰もの"と呼ばれる植物が植えられています。オウレンやカラスビシャク、テンナンショウなど、夏の強い日差しを嫌う植物たちです。サンショウやジャノヒゲなど馴染みのある植物もこのエリアにいます。アミガサユリは名前の通り、編み笠のような可愛い花を咲かせ、春の木陰エリアの主役です。初夏になると、イカリソウが可憐な花を咲かせますが、実は精力薬です。
温室エリアには、冬場に枯れてしまう熱帯・亜熱帯の植物たちがたくさん栽培されています。入口付近ではウンカリアやシナモンがお出迎えします。中央には、コーヒーノキが幅をきかせています。その奥はフルーツエリアです。パイナップやモンキーバナナ、スターフルーやパッションフルーツなどなどトロピカルな雰囲気が味わえます。マンドラゴラや月下美人などめずらしい植物にも出会えます。
西洋ハーブエリアには、コリアンダーやフェンネル、ローズマリーなどのスパイスやハーブに使われるものや、エキナセアやセントジョーンズワートなどのサプリメントの原料植物も植えられています。またこのエリアの奥の方は、毒草エリアになっています。ジギタリスやエンジェルトランペットなどは園芸品種として知られていますが、実は毒草なのです。そのほか、ルリタマアザミやイヌサフランなどの毒草にも出会えます。
西広場にも西洋ハーブがたくさんあります。タイムやマジョラム、カレープラントやチャイブ、レモングラスやミント類。はたまたサボテンやアーティチョークなどなど、普段あまり見かけない植物に出会えます。ここは春先から秋にかけて、様々な種類の植物が次々に花を咲かせてくれる、にぎやかなエリアです。ハーブティーが楽しめそうな素材もたくさんあります。
夏の日差しから木の下に入ると、ホッとする樹木エリアです。このエリアには薬木が約20種類植えてあります。まずはヤマモモ、夏になると沢山の実が成ります。収穫すると山のようです。ダイダイは、夏でも冬でも一年中実をつけています。そのほか、シンイやナンテン、キハダといった和漢の薬木と、ゲッケイジュやオリーブなどの洋木が入り混じって育っています。
園長挨拶
薬草園長
梅原 薫 教授 (漢方天然物化学研究室)
学生や教職員、そして地域の方々との交流の場を目指します。
薬用植物園は、薬科大学設置に必要不可欠な設備となっており、それは昔から今まで変わっておりません。何故でしょうか。その訳は、薬草が薬の原点であり、薬学の歴史を知るうえで重要だからなのです。そもそもクスリという漢字が"くさかんむり"なのもその理由の一つです。本学の薬用植物園は、約300種類の植物を有しております。漢方処方に配合する和漢生薬、サプリメント原料やスパイス・香料などに供される西洋ハーブ類、あるいは有害な毒草もあります。これらのすべてが、生きた教材であります。薬用植物園は、学生や教職員のための「学びの場」としての活用はもちろんです。さらにこれからは、地域の方々にも積極的に足を運んで頂き、「交流の場」としても活用していきたいと思います。
薬草園だより
- 2024/10(94号)
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- 2022/06(92号)
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- 2012/04/09(38号)