漢方薬を構成する生薬をはじめ家庭薬、民間薬、伝統薬などに用いられる個々の生薬について、その原植物を明らかにし、生物学的特性、含有する成分、薬としての作用などを解明する学問です。また最新技術を応用した生薬の加工法、保存法、鑑別法、試験法などの製剤化に関する手法の改善も行います。

漢方調剤を実施する際に、薬剤師が服薬指導、薬歴管理、疑義照会、病棟業務を的確に遂行するためには、漢方の臨床を知っておく必要があります。そのために漢方理論による診断と治療について研究し、漢方薬局における患者のセルフメディケーションを推進する研究分野です。

化学物質である医薬品を、その化学的性質の観点から理解することは、薬学がもっとも必要とする基本的なことがらです。医薬品の作用を構造式と関連づける構造活性相関、ドラッグデザインさらに医薬品分子の合成の基礎となる有機化学反応を研究する分野です。

創薬研究の第一歩として、薬のターゲットの探索、リード化合物の創製、その最適化と候補化合物の選定に到る作業は、従来と極端に変わっただけでなく、現状ではかなり経験的方法が用いられています。この点に関してさらに有機化学を基盤として学問の進展が必要です。