臨床薬学科

即戦力となる
薬物治療のプロを育成

臨床薬学とは?

バイオテクノロジーの進歩により、分子レベルでの生命現象解明が進む中、この先いつしか遺伝子操作により人格や個性までもが変わってしまうかもしれないまでに、医療技術は進化しています。そんな中、技術が高まれば高まるほど、それを取り扱う技術者のモラルが重要視されています。こうした最新の技術に対応する知識はもちろん、使用にあたってのモラルと責任感を持つ薬剤師の育成-それこそが本学科の目的です。

これからの薬剤師の役割として、一人ひとりの患者と向き合い、あらゆる手法を駆使し一般市民への薬剤知識の啓蒙活動までもが含まれます。そして病院での医療支援者としての役割、さらには糖尿病やがんなど個々の疾病に対応できる薬剤師の特化など、患者さんに直接接し、会話の出来る薬剤師が必要とされています。

学科長メッセージ

医療チームや地域医療活動で活躍する
薬剤師を目指して

田邉 由幸

Tanabe Yoshiyuki

臨床薬学科長/薬理学研究室 (教授)

情報社会の発展や高齢化による社会構造の変化に伴い、国民ひとりひとりの健康意識の高まりとともに医療への一層の期待と注目が集まっています。医療・医薬品が高度化・精密化・複雑化する今日、臨床現場で薬剤師が担う役割は益々重要なものとなってきています。
本学の教育理念「個性の伸展による人生錬磨」は、まさに薬剤師に求められる資質の本質であり、生涯を通じた自己研鑽による薬学教養基盤の充実と薬剤師実践力の向上に繋がることが期待されています。大学生活では、臨床で活躍する薬剤師としての自己実現の希望と目標を常に意識し、新たなことを知る・身につける喜びを感じながら学んでいただきたいと思います。 

薬剤師は「広い科学的な思考力に基づく問題解決能力をもつ医療人」であり、臨床現場では科学に裏付けられた薬物療法への貢献が求められるとともに、収集した様々な医薬品情報を正しく評価し(評価科学・レギュラトリーサイエンス)、患者情報を的確に把握し、チーム医療における適切な医療コミュニケーションを通じて、医療チームと患者様に全人的な視点を持って還元する使命があります。薬物療法の基盤となる薬理学・薬物治療学・病態生理学・薬物動態学・薬剤学などの薬学専門科目の習得はもちろんのこと、他の医療職との連携に繋がる様々な臨床・実践科目や実習・社会活動を経験し、将来は医療チームや地域医療活動で活躍する薬剤師の資質を養っていただきたいと思います。

Human Resource Development

人材育成過程

臨床実務能力のある薬剤師
としての人材の育成を実現

欧米では、日本以上に薬剤師の社会的な地位が高く、医師と対等の評価をされています。日本と欧米の格差の要因は、臨床実務能力の差だとも言われています。2006年からスタートした薬学部6年制では、病院実習の期間が長くなるなど、薬剤師の臨床実務力の強化が図られるようになりました。欧米なみの高い専門能力をもつ薬剤師の養成を狙いとしています。これからの薬剤師は、欧米のように医師や看護師と対等なパートナーシップを持ち、医療スタッフの中核を担うことが期待されています。そんな人材の育成をめざすのが、ハマヤクの臨床薬学科です。

研究分野

基礎薬学分野

疾病の薬物治療を行う上で基礎となる
理論を構築する研究分野です。

機能形態学

生体は、多くの器官が有機的に繋がり情報交換を営むことによって生命活動を維持しています。健康な時に体がどのように機能しているかを理解することは、疾病時に起こってくる生体変化を知るために必要不可欠です。さらに、薬物の作用機序を解明する上で重要な学問です。

薬理学

生体に対する薬物の作用機序を明らかにする学問です。薬物療法における薬の選択を行うための基礎となる研究分野です。医薬品の薬効だけでなく、副作用や薬物相互作用などの有害作用の発現機構を解明し、危険を未然に防止する上でも必須です。

病態生理学

患者の代表的な症状と臨床検査値に関する基本的知識から患者情報を知ることができます。効果的な治療を行うには、疾患に関する知識を把握する必要があります。薬物治療をする上で、薬物選択と副作用の防止など重要な情報を与えてくれる分野です。

薬剤学

薬物が効果的に作用を発揮するためには、最適な時間に必要量の薬物が適切な部位に到達することが大切です。この分野は、薬物の物理化学的、及び生物学的性質を基礎として、多剤併用時における薬物間相互作用を明らかにし、それによって投与する薬剤の剤形や用法を研究する学問です。

臨床薬学分野

薬剤師実務の最前線で、臨床に直接関係する応用薬学分野です。

薬物動態学

医薬品の適正使用のためには、投与される薬物の放出、溶解、吸収、分布、代謝、及び排泄の体内動態を正確に把握することが極めて大切です。薬物の血中濃度を測定して投与計画を立案し、必要な時期に必要量の薬剤を作用させる方法を研究する不可欠な学問分野です。

臨床薬理学

患者の年齢、性差、疾病の種類や重傷度、合併症の有無、懐妊などにより薬の作用は変化します。薬物療法の対象となる生体の生理学的特性に応じた医薬品の作用特性を研究する学問です。新薬の開発にあたって患者を対象として行われる臨床薬効評価もこの分野に含まれます。

薬物治療学

薬理学や病理生理学などの基礎知識を用いて、個々の疾病の状況に応じた薬物の選択と用法・用量の決定をするなど、適正な薬物療法のあり方を研究します。さらに、処方薬の医薬品情報の検索、薬局窓口での聞き取りや服用指導にも関係する学問です。

臨床薬剤学

医療の現場における薬剤師の主要義務である処方箋授受から疑義照会、調剤、服薬指導に至る流れに必要な知識と技術を研究する学問です。この分野にはさらに病棟義務、薬歴管理とDI活動など、薬剤師実務の主要部分を包括します。

カリキュラム

21世紀型の医療に対応できる薬の専門知識と技術をもつ薬剤師を育成

1年次

介護学概論

患者の安全確保とQOL向上に貢献できるよう、介護の目的と役割や介護を要する患者の身体的、精神的心理状態について学び、介護の展開課程や現場についての基礎知識を身につけます。

リハビリテーション概論

近年ますます重要性が高まるリハビリテーションについて、その概念や基本的生活を支障するための人権思想を学びます。また、リハビリテーション専門職種の役割と機能を学び、チーム医療に貢献できる知識を学びます。

2年次

医療システム概論

医療機関での各部門の組織や業務内容、その課題について学び、医療の仕組みを理解した上で各部門がいかに組織化され、経営されているのか知識を身につけます。

医学概論

今後の患者を中心とした医療のあり方について理解するため、生命とは何か、医学の歴史や健康と病気、医師の倫理観、インフォームドコンセントとその問題点、QOL向上などに関して学びます。

看護学概論

薬剤師として必要な患者接遇のあり方や服薬指導を行う基本マナー、患者の心理の理解などを身につけるために、看護の歴史や役割、機能を学びます。

3年次

臨床栄養学 l

病態時の栄養の吸収・代謝などの変化の理解と代表的疾患時の食事療法について学び、薬剤師として必要な非薬物療法のひとつである食事療法に関する基礎知識を身につけます。

臨床栄養学 ll

食事療法と薬物療法との相関性として、食品が薬効へ及ぼす影響、薬品が患者の栄養状態へ及ぼす影響を学び、薬物治療と患者の食生活の関わりを理解し、患者の栄養管理に参画できる知識を身につけます。

運動療法概論

疾病の予防・治療や身体に障害を持つ患者の運動療法の基本的理念、方法、技能などについて学び、チーム医療で活躍できる薬剤師として非薬物療法である運動療法についての知識を身につけます。

4年次

創薬化学特論

化学ライブラリー、化学的な構造生活相関に関する基礎知識、基本的な評価技術・理論に基づいて設計された医薬品の具体例について学び、創薬の基本知識を身につけ、その現状を理解に繋げます。

院内感染防御論

社会問題としてクローズアップされている院内感染。その主な事例について学び、抗生物質の適性使用の推進や医薬品の微生物汚染防止や消毒薬使用の推進など、感染防止に薬剤師が果たす知識を身につけます。

ゲノム創薬論

ゲノム創薬による新薬開発の期待が高まるなか、そんな期待に応えることのできる薬剤師となるために、ゲノム情報に基づいて高活性で副作用の少ない新薬探索法と情報の活用法を習得します。

5年次

治験業務論

治験責任医師をサポートし、医療行為以外の業務を調整する治験コーディネーターの位置づけと実際に行われている治験業務の内容、そして治験の現状と問題点についても学びます。

疾患別治療特論 l

がん専門の薬剤師が待望され、認定制度が検討されている現在。がん化学療法の専門薬剤師を目指すために必要な知識について詳細に学び、がん化学療法薬の適性使用とリスクマネジメント能力を身につけます。

疾患別治療特論 ll

国内でもその制度がスタートしている糖尿病の認定薬剤師。そんな糖尿病の薬物治療としてインスリン製剤、経口糖尿病治療薬や合併症の薬物療法の最前線について学びます。

6年次

疾患別治療特論 lll

国内で専門薬剤師が待望されている、精神疾患や高脂血症。それらの疾患における薬物療法の最前線について学びます。

医薬品評価特論

我が国における新薬の市販後調査のあり方と現状、薬剤師の薬剤使用評価の取組と副作用情報の収集・伝達について学び、医薬品評価情報システムの薬ー薬連携、医ー薬連携についても学びます。

医薬業界論

製薬企業の現状や新薬の開発と研究動向、ドラッグストア業界の現状など、これからの医療現場に出るうえで欠かせない、医薬業界の動向に関する知識を身につけます。

高度先端医療論

ゲノム情報を応用した遺伝子診断薬や遺伝子疾患治療、臓器移植や再生医療などの先端医療の現状と問題点について学び、将来薬剤師がこれら先端医療に関わっていくための専門知識を習得します。

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