健康薬学科

個々の健康管理や
ライフサイエンス等、
幅広い分野で活躍できる
薬剤師を育成

健康薬学とは?

現在、世界一の長寿国である日本。
高齢者の健康維持や成人の生活習慣病の予防への関心も高く、いかに健康に、充実したくらしを維持できるかが医療の大きな課題となっています。こうした現状に対し、発病を予防する"一次予防"と認知症や寝たきりにならないで生活できる期間"健康寿命"を延ばすことにつながる薬学-それこそが本学科の目的です。
「いかに健康な生活を維持していくか」
この課題に向け、疾病の発症に関わる保健衛生、食品衛生、環境保全、化学物質の毒性研究など、広く生活全般に関わる知識を備え、治療のみにとらわれず、さらに進んだ予防医療の見地から地域医療やセルフメディケーションに貢献できる薬剤師が必要とされています。

学科長メッセージ

健康薬学科がカバーする領域は
とてつもなく広い。
どの分野で活躍するか、
じっくり考えて欲しい

香川 聡子

Kagawa Toshiko

健康薬学科長/環境科学研究室(教授)


医療の進歩の中でがん、脳卒中、心臓病などの重大な疾患が、生活習慣に原因があることが分かってきました。これらの病気にかからないためには常日頃の健康管理が重要であることを示しています。社会に広がるセルフメディケーションへの期待は、「健康管理」に対する生活者の意識改革の表れです。しかし、一般人の医療知識には限界があり、予防の段階から健康管理をアドバイスできる薬剤師が待望されています。

また、薬を中心として運動学・栄養学・免疫学・環境対策など、健康に関わるさまざまな知識と技術を駆使して、薬剤師の概念を超える領域で活躍する人材も期待されています。本学の健康薬学科は、広範囲のフィールドで活躍できる薬剤師の育成に努めます。

Human Resource Development

人材育成過程

治療から予防へ、健康を
サポートできる薬剤師を育成

健康薬学科では、「薬理学」や「薬物治療学」などの「医療薬学」のみならず、健康維持・増進の観点から「衛生薬学」の知識を修得し実践できる薬剤師を育成しています。「衛生薬学」とは、「栄養学・食品衛生学」「運動生理学」「公衆衛生学」「毒性学」「環境衛生学」など、原子・分子から地球環境に至る広範なテーマを人の健康の問題としてとらえながら、人、そして人の集団である社会の健康維持・増進に寄与する学問です。急激な少子超高齢化や医療技術の進歩など大きく変化する医療環境に適応し、「薬剤師」としてのみならず、「行政機関」をはじめとする多様な分野で社会貢献できる人材の育成を目指しています。

研究分野

生命科学分野

疾病にかからないための
"一次予防"計画にあたっての基礎研究分野です。

生化学

生命現象を科学的に解明するために、糖、アミノ酸とたんぱく質、脂質、酵素、ビタミン、補酵素などの生体を構成する物質の構造や性質からはじまり、生合成と代謝を分子レベルで解き明かします。さらに、生体内の生理活性物質を明らかにする学問領域です。

生体防御学

免疫学は、生体防御反応の主流として急速に発展し、感染症の予防と診断、治療に大きく貢献している学問です。免疫の機能・制御機構などや抗アレルギー薬などを研究対象としています。

放射線科学

病気の診断や治療において、放射線はなくてはならない存在となっています。より正確な診断、効果的な治療、さらには医療被ばくの低減のためには、放射線の性質や生体への影響を深く理解する必要があります。医学、薬学の発展において欠かせない重要な研究分野です。

分子生物学

遺伝子情報伝達物質DNAの操作技術は、急進展を遂げ、近い将来分子レベルで生命現象が解明され、医療や創薬への応用が期待されています。これらの新しい技術を用い、遺伝子発現、タンパク質生合性などを研究教育の対象とする分野です。

環境科学

現代社会において、農薬、PCB、ダイオキシン、環境ホルモン、フロンガス、排気ガス、有害廃棄物などの地球環境に関わる問題は非常に多く、その大半が未解決です。この分野は、環境衛生と環境保全を目的とした学問で、最も身近な薬学の研究領域です。

予防薬学分野

予防医療の推進をはかるための健康な食餌や公衆衛生などの研究をする分野です。

薬物解析学

医薬品の有効性と安全性を評価するために、まず化学物質の構造や性質などの基本的性質を理解し、さらに薬物の生体内動態や安全性などに影響する物理的性質を解析する必要があります。また、医薬品の品質試験やその延長上線にある製剤設計との関連性の上からも不可欠な研究分野です。

感染予防学

科学の発展と並行して抗生物質の耐性菌が出現するなど感染症の多様化が起きています。また、ウイルスによる疾病のグローバル化が懸念されます。インフルエンザやエイズに代表されるこれらのウイルス性感染症、ならびに各種耐性菌の克服は人類の悲願であり、予防医療の最先端領域です。

食化学

薬食同源と言われるように生命を養い、健康を保つには食生活が極めて重要です。食品に含まれる栄養素を化学的に研究し、その過剰摂取や欠乏がもたらす人体への影響、さらには食品中の化学物質の機能を明らかにする学問であり、予防医療に欠かせない研究分野となります。

公衆衛生学

その名称が示すように、公衆の生を衛るための学問分野であり、保健統計、疫学、健康管理法などの保健衛生が基礎となります。さらに食品の変質、微生物汚染による食中毒、農薬、食品添加物、覚せい剤などの化学物質による健康への影響もこの分野の研究対象となります。

カリキュラム

人類の健康と福祉の向上に貢献できる薬剤師の育成

1年次

運動生理学

運動・休養の重要性、健康との関連性を認識するために、運動と休養による身体の生理的機能の変化を知り、運動が身体に及ぼす影響を習得します。

運動と健康

生活習慣病予防などのための適切な健康運動、ジョギングを指導できる技術を習得するため、運動生理学を基礎として運動処方の意義と実際、肥満と健康などを学び、同時に実地講習を行います。

2年次

栄養学

健康維持・増進に重要な栄養バランスの良い食生活についての指導ができるよう、栄養の基本概念や栄養素の特徴と相互作用、栄養学的機能などの基礎知識を学びます。

精神と健康

ストレス疾患が増加している社会の現状を踏まえ、ストレスをはじめ精神と健康の関係について学びます。また、未成年の鬱病や生活習慣病をテーマにした知識も学びます。

ライフステージ栄養学

あらゆる年代層の患者に接する薬剤師として必要な、新生児から成人、老年期にいたるまでの人間の成長、発達、加齢に伴う成長や機能発達にそった特徴と栄養について学びます。

3年次

食品機能学

食生活の改善が疾病予防や健康増進に重要な役割を果たすことを理解するため、食品に含まれる健康維持・増進に役立つ機能性食品成分の生体調整作用についての知識を学びます。

免疫学特論

感染と疾病の予防に有効な免疫応答に影響を与える諸因子を理解するために、栄養学と免疫能、栄養状態と免疫能、加齢と免疫能、ストレスと免疫能、食品と免疫能、病態と免疫能、運動と免疫能について学びます。

薬物と健康

覚醒剤、大麻などの薬物乱用の現状をふまえ、薬物の生体に及ぼす有害な作用について詳しく学ぶと共に、嗜好品のたばこ、アルコールの有害作用についても学びます。

4年次

食品安全性学

食の安全性について不安が高まる現状をふまえ、食関連物質の毒性試験や食品安全に関するリスク分析法、食のリスクコミュニケーション、リスクマネージメントについて学び、食品安全性評価の手法を取得します。

感染予防特論

病原微生物の感染から身を守るため、感染症の感染予防のための対策、食品衛生・環境衛生上の予防対策などについて詳しく学び、健康危機管理の視点から的確に対応できる知識を習得します。

生活習慣病特論

生活習慣病予防についての指導ができる能力を身につけるため、生活習慣病を発症させる要因や生活習慣病にかかってしまった際の処置、具体的予防策について詳しく学びます。

5年次

地域環境特論

現代の大きな課題となっている地球環境保全について、温暖化とエネルギー問題、オゾン層破壊、酸性雨、海洋汚染、環境保全行政などについて、深い知識を習得します。

産業保健論

産業保健の意義やその歴史と役割、労働衛生関連法規、職場環境での健康管理や作業環境管理の理論、さらには産業廃棄物についての現状や対策についても学びます。

環境生理学

健康を維持するために、生体が内部環境を一定に保とうとする恒常性について学び、寒冷や暑熱、圧力、重力などの外部環境によるバイオリズムなどの変化に伴う生理変化についての知識を習得します。

6年次

医療と栄養

医療と栄養の密接な関係を認識するため、薬物療法と併用して行われる栄養治療の倫理と実際、そして応用に関する基礎知識、機能性食品の利用法などについて学びます。

地域保健論

地域の人々の健康維持・増進に貢献するために、地域保健所の概要と業務、特別養護老人ホームなどでの高齢者施設の概要について学び、地域環境問題などに果たす薬剤師の役割についても意識を高めます。

健康管理学

これまでに健康薬学科の専攻科目で学んだ運動、食生活、栄養、ライフスタイル、ストレスなど健康に関わる知識を総合し、適切なセルフメディケーション指導ができる知識と技能を総括します。

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