東海大学の青山泉先生によるアロマセラピーの2回目の講義が本学で行われました
健康薬学科2年の学科専攻科目「精神と健康」の授業(吉田 林准教授)では、ウェルビーイングについて学びます。第10回目となる1月9日(木)の授業では、先月に引き続き、医療におけるアロマセラピーの活用について東海大学医学部の青山泉先生による講義が行われました。
この度の授業では、アロマセラピーの利用による医療者・患者の「エンゲージメント」の促進、香りの教育である「香育」、嗅覚と病気との関係、がんによる病臭の低減、感覚刺激豊かな環境下でのがんの縮小などについてお話しいただきました。
嗅覚は視覚、聴覚のように集団検診で測定されることはありませんが、認知症やパーキンソン病などでは発症前にその機能低下が起こることが知られています。これまで取り扱いが難しかった「におい」の簡便な提示と制御を可能にした「におい提示装置(NOS-DX1000)」をソニー株式会社インキュベーションセンター嗅覚事業推進室の森田徹さんが紹介し、病気の早期発見に繋がる可能性などについてご説明くださいました。
また、舌がんの再発を何度も繰り返した患者・緒方宏美さんがオンラインで登壇し、発症、再発、告知、治療の裏で動く患者心理、医療者の言葉、周囲の支え、「五感が喜ぶ生活をする」という発想の転換とがんの寛解に至るまでの経緯について語ってくださいました。
最後には、精製されていないミネラル豊富な天然塩(馬路村柚子・静岡県産緑茶・マロウ入りの3種)を使ったアロマバスソルト作りを行いました。1つは自分へ、もう1つは患者さんへ、メッセージカードを添えて送りました。その他にも奄美大島の薬剤師、鴨川弥矢さんからはブレンドスプレーで香りのエールをいただき、また冬の冷えに効くスパイスを組み合わせたカモミールスパイスチャイも飲んで、五感を使った授業を体験してもらいました。